ネジについて語る

先のTA07モデるで書いたネジの事を、クドい感じで書きます。

樹脂に締め付ける際はグリスかオイルを塗りましょうと書いたのですが、これは最終的な締め付けトルクがわからない or 非常に弱い状態になるからです。

ネジを締めた状態というのは、ボルトとナットがお互いに引っ張りあう事(軸力)でAとBを締結(固定する)という事です。締め終わった状態ではこういう事になります。締めこんでいく工程においては、回す力からネジ山の摩擦を差し引いた分が実際に回る量になります。新品のボルト/ナットはスルスル回るけど、錆びたボルト/ナットだと回っていかない事を想像すると理解しやすいかと思います。

 

TA07のように樹脂に締めんでいく過程というのは、錆びたボルト/ナットを使うような状態にあります。非常に摩擦が大きいので、締め終わりたい時の軸力よりも相当大きく回してやらないといけません。この「余計に回すチカラ」をできるだけ小さくしてやらないといけないのです。

 

わかりにくいですが、締めこむときに回している力を100として考えてみます。100の力でないとネジは回っていきません。この100のうち、相当量がネジ山の摩擦によるロスとして熱に変換されています。そのロス分を80ほどとします。

つまり本当は20の力で回るはずのネジなのに、ネジ山のロスが80もあるから100の力で回さないとネジが回ってくれないという状態になります。新品の樹脂にネジを入れるときはもっと力がいりますから、そのロス分は99とかになるイメージでしょうか。

さてロスが80ある状態は、雄ネジと雌ネジに締め付けトルクが80かかっている状態です。ネジ山の許容できるトルクmaxが80以下ならネジは締めこむ事ができます。しかし必要なロス分が81を超えたとき、ネジ山はその形を維持する事ができずにナメる、バカになる事になります。またロスが大きい状態では摩擦による発熱が大きいので、樹脂が柔らかくなります。この時減摩方向になりますから回しやすくなりますが、同時にネジ山の許容できるレベルも小さくなりナメやすくなります。締まりきっていないのにネジがナメるという現象がおきます。

 

ネジがいよいよ締めこみが終わり、ぎゅーっと締めこまれる時も同様です。締めたつもりでも、実際に締まっているのはロス分を差し引いた分だけですから、体感よりもすごくユルい状態になります。冒頭に書いた「最終的な締め付けトルクがわからない or 非常に弱い状態」になるのはこういった事からです。ネジ山のロスを減らしておけば、実際の締め込みに近い状態に近づけられる&ネジ山の破損リスクが低減できることから、オイルやグリスを使うのです。タップを使ってネジ山を作っておくのも同様の理由です。

 

そんな感じでクドいウンチクでした。

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